コンカの思い出
ズッキーニの花が咲く時期になりました。
越畑は空気が冷たいので、花が咲くのも作物が実るのも他所より少し遅めなので、我が家の畑のズッキーニはまだまだ花が収穫できるほど大きくなっていませんが、ファーマーズマーケットではもう花も実も並んでいます。今でこそズッキーニは花も食べられることは普通に知られていますが、私がイタリアにいた頃は、花どころかズッキーニさえ初めて見るものでした。
上の子が3歳になったばかりの夏、初めてアグリツーリズもを利用した旅をしました。もう20年も前のこと。トスカーナのサンセポルクロという美しい町から山道を走った所にある” La Conca” という名の農家民宿でした。山の中のコテージを借りて2週間過ごしたっけ。
母屋の前には畑があって、時々元気できれいなシニョーラがとれたての野菜をくれるのでした。ある朝コテージのドアを誰かがノックするので開けてみたら、黄色い花がいっぱいに入ったカゴを持ったシニョーラが居て、ズッキーニの花よ、と。そしてズッキーニの花のリゾットの作り方を教えてくれたのでした。
ズッキーニの花が咲く季節になると必ず、ドアを開けた時の朝の眩しい光とミントの香りの風とシニョーラの笑顔、そしてカゴいっぱいのズッキーニの花を思い出すのです。
今回使用した器はこちらです
青磁釉マンガン小鉢
径13.5cm 高さ6.5cm
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